幸せな結婚生活を叶えるために、婚活中から知っておきたいこと
【第5回】「配慮」とは、相手の幸せを願うこと

前回は、フロムの有名な言葉「愛は感情ではなく、技術である」についてお話ししました。

フロムは「愛する技術」を支える大切な要素として、
配慮・責任・尊重・理解の4つを挙げています

今回は、その一つ目である「配慮(Care)」について考えてみましょう。

「配慮」と聞くと、何を思い浮かべますか?

「相手に気を遣うこと。」
「我慢すること。」
「相手を優先すること。」

そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも、フロムがいう「配慮」は、それとは少し違います。

配慮とは、
相手の幸せや成長を心から願い、そのために行動すること。
それが、フロムの考える「配慮」です。

自分にとって本当に大切なものには、自然と心を向ける

例えば、大切に育てている植物があるとします。
土が乾いていないかな。
元気がないけれど、何かあったのかな。

そんなふうに気にかけ、
水をあげたり、日当たりを変えたりします。

それは、「やらなければならないから」ではありません。
大切なものだから、自然と目が向き、手をかけたくなる。

フロムは、愛もそれと同じだと考えています。

本当に相手を愛しているなら、
相手が笑顔でいられるか。
疲れていないか。
困っていることはないか。

愛するとは、
「好き」という気持ちを持つことだけではなく、
相手の幸せや成長を願い、
そのために自ら行動することなのです。

配慮は「我慢」や「尽くすこと」ではありません

以前の私は、「配慮」と「我慢」は同じことだと思っていました。

夫婦関係がうまくいくためには、自分が我慢すればいい。
相手を優先し、相手に合わせることが思いやりだと信じていたのです。

実際、私が受けて来た夫婦問題のご相談でも、
「夫が機嫌よく過ごせるように頑張っています。」
「怒らせないように、いつも気を遣っています。」
というお話を伺うことが少なくありません。

でも、それはフロムがいう「配慮」とは少し違います。

それは、相手を大切に思っているからではなく、
怒られたくない、嫌われたくないという『恐れ』から生まれた行動
になってしまっていること。

私自身も、その違いに気づくまでには長い時間がかかりました。

本当の配慮とは、自分を犠牲にすることではありません。

相手を大切に思うこと。
そして、自分自身も同じように大切にすることです。

どちらか一方だけが我慢し続ける関係では、本当の愛は育ちません。

婚活でも「配慮」は見えてきます

婚活では、
「優しい人がいい。」という希望をよく耳にします。

もちろん、それも大切です。

でも、本当に見てほしいのは、
その人が配慮できる人かどうかです。

例えば、
あなたの話を最後まで聴いてくれるでしょうか。
店員さんにも丁寧に接しているでしょうか。
体調を気遣う言葉を自然にかけられるでしょうか。
自分が正しい前提で話してないでしょうか。

こうした小さな行動の中に、
その人の「配慮する力」は表れます。

婚活では条件だけでなく、
こうした姿勢にも目を向けてみてください。

結婚生活では、その積み重ねが大きな安心感につながっていきます。

配慮は、お互いに育てていくもの

ただ配慮は、「してもらうもの」ではありません。
自分から相手を思いやること。
そして、お互いに思いやり合える関係を育てていくこと。

それが、幸せな結婚生活につながっていきます。

私は、結婚相談所でも
「どんな人を探すか」だけではなく、
「自分はどんなパートナーでありたいか」
を一緒に考えることを大切にしています。

配慮する力も、愛する技術の一つだからです。


次回予告

フロムは、「配慮」の次に、
「責任(Responsibility)」を挙げています。

責任という言葉を聞くと、
「義務」や「重荷」のように感じるかもしれません。

でも、フロムがいう責任は、少し違います。

次回のChapter6では、
「愛すること」と「責任」の本当の意味
について、一緒に考えていきましょう。