幸せな結婚生活を叶えるために、婚活中から知っておきたいこと
【第8回】「理解」とは、知ったつもりにならないこと

これまで、「配慮」「責任」「尊重」と、
フロムが考える「愛する技術」についてお伝えしてきました。

今回は、その最後の要素である
「理解(Knowledge)」について考えてみましょう。

「理解」と聞くと、
「相手のことをよく知ること。」
そんなイメージを持つ方も多いと思います。

もちろん、それも間違いではありません。

でも、フロムがいう「理解」は、
もっと深い意味を持っています。

「理解」とは、知ったつもりにならないこと

婚活では、
「価値観が合う人がいい。」
「プロフィールを見れば、どんな人か分かる。」
そんなふうに考えることがあります。

でも、本当にそれだけで、
その人を理解したことになるのでしょうか。

私は、そうは思いません。

人は、とても奥深い存在です。
嬉しいことがあれば笑い、
悲しいことがあれば落ち込み、
年齢や環境によって考え方も少しずつ変わっていきます。

だから、「私はこの人を知っている」と思った瞬間に、
相手を理解することをやめてしまうことがあります。

フロムは、
愛するためには相手を知ろうと努力し続ける姿勢が
必要だと伝えています。

理解とは、「知っている」という状態ではなく、
知ろうとし続ける姿勢なんです。

分かったつもりになると、会話は止まってしまう

結婚生活が長くなると、
「この人はどうせこう言う。」
「また同じことでしょ。」
そんなふうに決めつけてしまうことがあります。

でも、その瞬間に、
相手の話を最後まで聞かなくなってしまいます。

人は誰でも、
「分かってもらえた。」と感じると安心します。

反対に、
「どうせ分かってくれない。」と感じると、
本音を話さなくなります。

安心して話せる夫婦には、
「教えて。」
「どうしてそう思ったの?」
「もう少し聞かせて。」
そんな言葉があります。

理解は、答えを知っていることではありません。
相手を知ろうとする対話の積み重ねなんです。

私が夫婦問題のご相談を通して感じてきたこと

私はこれまで、長年にわたり
夫婦問題に悩む多くの女性のご相談をお受けしてきました。

その中で感じるのは、
苦しくなった夫婦ほど、
お互いの話を「聞いているようで聞いていない」ということです。

話を最後まで聞く前に、
「でも、それは違う。」
「あなたにも原因がある。」
「そんなこと気にしすぎだよ。」
そんな言葉で終わってしまう。

そうすると、
「分かってもらえない」という思いが積み重なり、
少しずつ心の距離が広がっていきます。

一方で、関係が良いご夫婦には共通点があります。
それは、「相手を理解したい」という姿勢があることです。

相手の考えが自分と違っても、
「そう感じたんだね。」
と受け止め、知ろうとする。

その姿勢があるからこそ、
信頼関係は少しずつ育っていくんだと思います。

婚活でも、「知ろうとする人」を選びましょう

婚活では、
「話が合う。」
「趣味が同じ。」
「今、描いている将来が同じ。」
ということに目が向きがちです。

もちろん、それも大切です。

でも、それ以上に大切なのは、
あなたに興味を持ち、
知ろうとしてくれる人かどうか。

あなたの話を最後まで聞いてくれるでしょうか。
質問をしてくれるでしょうか。
あなたの考えを否定せず、
「そうなんですね。」
と受け止めてくれるでしょうか。

結婚生活では、価値観が変わることもあります。
仕事が変わることもあります。
家族が増えることもあります。

そのたびに、「今のあなた」を知ろうとし続けられる人こそ、
一緒に人生を歩んでいける人になっていきます。

理解は、一生続く愛の土台

私は、理解とは「知ること」ではなく、
「知ろうとし続けること」だと思っています。

結婚して終わりではありません。
「もう分かっている」でもありません。

何年一緒にいても、
「今日は何を感じているんだろう。」
「最近、何を考えているんだろう。」
そんな関心を持ち続けること。

それが、愛を育て続けること。

幸せな結婚生活は、特別な出来事ではなく、
こうした小さな対話の積み重ねによって育まれていくんです。

次回予告

ここまで8回にわたり、
「配慮」「責任」「尊重」「理解」という、
フロムが語る「愛する技術」の4つの要素について考えてきました。

では、こうした力は、
どうすれば身につけることができるのでしょうか。

次回Chapter9では、
「愛する技術は、一生をかけて学ぶもの」というフロムの考えをもとに、
幸せな結婚生活を育てるために大切な学びについて、
一緒に考えていきましょう。