幸せな結婚生活を叶えるために、婚活中から知っておきたいこと
【第4回】愛は感情ではなく、技術である

これまでの3回で、
フロムが投げかけた問いについて考えてきました。

「私たちは愛されることばかりを求めてはいないだろうか。」
「幸せは、運命の人と出会うことで決まるのだろうか。」

そしてフロムは、その答えとして、
とても印象的な言葉を残しています。

「愛は感情ではなく、技術である。」

初めてこの言葉を聞くと、
「愛って気持ちじゃないの?」
「好きになることとは違うの?」
と、不思議に感じる方も多いかもしれません。

でも私は、この言葉こそ、
幸せな結婚生活を築くための最も大切なヒントだと思っています。

「恋に落ちること」と「愛し続けること」は違う

誰かを好きになること。
恋に落ちること。
これは多くの場合、努力をして起こるものではありません。

「気づいたら好きになっていた。」
そんな経験をしたことがある方も多いですよね。

だから私たちは、
「好きな人と結婚できれば幸せになれる。」
そう考えやすいんです。

もちろん好きという気持ちは
結婚の大切なきっかけになります。

でも、その気持ちだけで
何十年もの結婚生活を支え続けることはできないんです。

なぜ「好き」だけでは続かないか

結婚前は、お互いの良いところに目が向きます。

一緒にいるだけで楽しく、何時間話していても飽きない。
「この人となら、ずっと幸せでいられる。」
そう感じることもあるでしょう。

でも結婚すると、生活が始まります。

価値観の違い。
お金の使い方。
家事や子育ての考え方。
仕事との両立。

恋愛中には見えなかった現実と向き合う場面が増えていきます。

すると、
「こんな人だと思わなかった。」
「結婚してから変わってしまった。」
そんな言葉を耳にすることがあります。

でも、本当に相手は変わってしまったのでしょうか。
私は、そうとは限らないと思っています。

恋愛中は見えていなかった相手の一面や、お互いの違いが、
結婚生活の中で少しずつ見えてくるんです。

だからこそ、「好き」という感情だけでは、
関係を続けることが難しくなることがあります。

フロムが伝えたかった「技術」とは

フロムは、恋に落ちることよりも、
愛し続けることの方がはるかに難しいと考えました。

そして、そのためには感情だけではなく、
「技術」が必要だと言います。

ここでいう「技術」とは、特別な才能ではありません。

例えば、ピアノを弾けるようになりたいと思ったら練習をします。
料理も、最初から上手に作れる人はいません。

知識を学び、失敗を重ねながら、
少しずつ身についていきます。

愛することも、それと同じです。

相手の話を最後まで聴くこと。
自分の考えを押し付けずに伝えること。
意見が違っても、お互いを尊重すること。
相手を思いやり、自分も大切にすること。

こうしたことは、
自然にできる人だけが持っている才能ではなく、
意識し、学び、実践することで
育てていける力なんです。

だからフロムは、
「愛は感情ではなく、技術である。」
と語ったのだと思います。

私が夫婦問題のご相談で感じてきたこと

私はこれまで、
夫婦問題に悩む多くの女性のご相談をお受けしてきました。

その中で感じるのは、「好きだった」という気持ちは、
多くのご夫婦にあったということです。

結婚したときは、
お互いに幸せな家庭を築きたいと思っていたはず。

それでも関係が苦しくなってしまうのは、
「好き」という気持ちが足りなかったからではありません。

相手を尊重すること。
話し合うこと。
違いを受け入れること。

そうした「関係を育てる力」が、
うまく育たなかったからではないかと感じています。

だから私は、婚活でも「どんな人と結婚するか」と同じくらい、
「どんな夫婦関係を築いていくか」を大切にしています。

幸せな結婚生活は、運や相性だけで決まるものではありません。
二人で少しずつ育てていくものなのです。

愛する技術は、学ぶことができる

ここまで読むと、
「愛することって難しそう。」
そう感じた方もいるかもしれません。

でも安心してください。
技術であるということは、学ぶことができるということでもあります。

最初から完璧にできる人はいません。
少しずつ知り、少しずつ実践しながら身につけていけばいいのです。

フロムも、愛は一生をかけて学び続けるものだと伝えています。


次回予告

では、「愛する技術」とは、
具体的にどのようなものなのでしょうか。

フロムは、その土台となるものとして、
「配慮」「責任」「尊重」「理解」
という四つの大切な要素を挙げています。

次回のChapter5では、
その最初の要素である「配慮(Care)」について、
一緒に考えていきましょう。