「相手が喜ぶなら、私が合わせよう」
「揉めるくらいなら、私が譲ればいい」
「疲れているみたいだから、私がやってあげよう」
「本当は嫌だけど、これくらいならいいか」

こういうことが自然にできる人は、
きっと周りからも「優しい人」と
言われてきたのではないでしょうか。

自分でも、
「私は人に合わせることが苦じゃない」
「別に我慢しているわけじゃない」
そう思っているかもしれません。

でも、結婚を考えるときには、
一度立ち止まって考えてみてほしいんです。

その「優しさ」は、
結婚して何年経っても、同じように続けられる優しさ?

それとも、
自分を少しずつ後回しにすることで成り立っている優しさ?

恋愛では「優しさ」だったことが、結婚すると苦しくなることがある

恋愛や婚活中なら、
「今日は相手の行きたいお店にしよう」
「忙しそうだから、私が予定を合わせよう」
「疲れているみたいだから、今日は私が気を遣おう」

そんなことがあっても、
それほど負担にはならないかもしれない。

むしろ、
「好きな人のために何かしてあげたい」
と思うのは、とても自然なこと。

でも結婚は、それが毎日の生活になります。

休日の過ごし方。
お金の使い方。
家事。
仕事。
子育て。
親との付き合い。
住む場所。
夫婦の時間。

どちらかの希望を優先しなければならない場面は、
何度もやってきます。

そのたびに、
「私はどっちでもいいよ」
「あなたの好きなほうでいいよ」
「私がやればいい」
「これくらいなら我慢できる」

と自分を後回しにしていたら、どうなるでしょう。

一つひとつは、とても小さなこと。
だから、自分でも我慢していることに気づかない。

でも、その小さな「まぁいいか」が
何年も積み重なったとき、
「どうして私ばっかりなんだろう」
という気持ちに変わってしまうことが想像できませんか?

自己犠牲は「我慢している」という顔をしていない

自己犠牲というと、
「嫌なのに無理をしている」
「自分ばかり我慢して苦しい」
そんな状態を想像するかもしれません。

でも、実際にはもっと分かりにくいものです。

「私がやったほうが早いから」
「わざわざ言って空気を悪くしたくないから」
「相手が機嫌よくいられるなら、そのほうがいいから」
「別に私はどちらでもいいから」

そうやって、自分の中でちゃんと理由をつけている。

だから本人も、
自分が我慢しているとは思っていないことがあります。

むしろ、
「相手を思いやっている」
「夫婦なんだから譲り合うのは当たり前」
と思っているかもしれません。

もちろん、結婚生活には譲ることも必要です。

でも、
いつも譲る人が同じになっていたら…

ここは、とても大切なところなんです。

優しさと自己犠牲は、似ているようで違う

相手のために何かをする。
相手に譲る。
相手の気持ちを考える。

行動だけを見れば、優しさも自己犠牲もよく似ています。

でも私は、
優しさは「自分も相手も大切にすること」
自己犠牲は「相手を大切にするために、自分を後回しにすること」
だと思っています。

たとえば、夫が疲れているから家事を代わってあげる。
これは優しさです。

でも、自分も疲れているのに、
「夫のほうが大変だから」
と毎回無理をして引き受ける。

そして夫も、
それを当たり前のように受け取る。

それが何年も続けば、
少し話が変わってきます。

本当に思いやりのある夫婦なら、
「今日は疲れているみたいだから、私がやるね」
だけではなく、

「今日は二人とも疲れてるね。どうしようか」
という会話ができるはず。

どちらか一人だけが頑張るのではなく、
二人のこととして考えられる。

私は、これが結婚生活ではとても大切だと思っています。

「合わせられる人」は婚活で少し注意してほしい

婚活をしていると、
「私は相手に合わせられるので」と話す方がいます。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。
柔軟に相手の考えを受け入れられることは、素敵な長所です。

でも、
「合わせられること」と「自分がないこと」は違います。

本当はこうしたい。
これは嫌だ。
ここは譲れない。
私はこういう暮らしがしたい。

そんな自分の気持ちを持ったうえで、
二人で話し合えることが大切なのです。

婚活では、
「何でも合わせてくれる人」と結婚するのではなく

違う意見を持っていても、
お互いを大切にしながら話し合える人を選んでほしい。

なぜなら結婚生活では、
必ず「違い」が出てくるからです。

結婚相手に必要なのは「何でも受け入れてくれる人」ではない

優しい人と結婚したい。
そう思う人は多いでしょう。

でも結婚相手を選ぶとき、
「私に何でも合わせてくれる」
「怒らない」
「何でも受け入れてくれる」だけで、
その人を「優しい人」と判断しないでほしいんです。

本当に見てほしいのは、
自分と相手の希望が違ったときに、どうする人なのか。

自分の意見だけを通そうとするのか。
相手が折れるまで不機嫌になるのか。

それとも、
「あなたはそうしたいんだね。じゃあ、二人が納得できる方法を考えよう」
と向き合えるのか。

結婚生活で必要なのは、
どちらかが我慢して「揉めない夫婦」でいることではありません。

違っても、二人で話し合える夫婦でいることです。

あなたの「優しさ」の中に、あなたはいますか?

人に優しくできることは、とても素敵なことです。
だから、その優しさをやめる必要はありません。

ただ、結婚を考えるなら、
ときどき自分に聞いてみてほしいのです。

「これは、本当に私がしたくてしていること?」
「嫌われたくなくて、合わせていない?」
「揉めるのが怖くて、自分の気持ちを飲み込んでいない?」

そして、もう一つ。
「私の優しさの中に、私はちゃんといる?」

結婚は、相手を幸せにするために
自分を差し出すものではありません。
自分だけが幸せになるものでもありません。

自分も相手も大切にしながら、二人で幸せをつくっていくもの。

だから婚活では、
「この人にどれだけ優しくしてあげられるか」だけではなく、
「この人と一緒にいる私は、自分の気持ちも大切にできているか」

そんな視点も、ぜひ持っていてほしいと思います。

幸せな結婚は、
どちらか一人の優しさの上に成り立つものではないのです。